第六十三話『欠席連絡』

240 :蟻 ◆GJCUnhVBSE :2006/12/17(日) 04:50:18 ID:yBezmQGa0
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小学校五年生の時に体験した話。

翌日に校内遠足を控えていた夜のこと。
私は自室で遠足の準備をしていた。お菓子、レジャーシートなどをリュックにつめ
る。着ていく服も用意した。時間はだいぶ遅くなっていた。
そろそろ寝ようかと思い、電気を消してベッドに入った。
すると、
「○○ちゃん(私の名前)、もう寝るの? 私、明日休むから」
枕元で、当時仲のよかったEちゃんの声がした。確かにEちゃんの声だったので、
私はさほど怖いとも不思議だとも思わず、
「わかった」
と返事をし、そのまま眠りについた。
翌朝起きて冷静に思い返してみると、あれはちょっとおかしい。なんで私の部屋で
Eちゃんの声がするんだ。今日本人に会ったらどういうことか聞いてみよう。そう
思いながら学校へ向かった。
教室に着くと、やはり遠足の前だからだろうか、みんなうきうきしている。私は仲
良しグループのYちゃんを見つけ、「Eちゃんはもう来た?」と聞いた。Yちゃん
は、こう答えた。
「Eちゃんね、今日休みなんだって。風邪ひいたらしいよ」

さすがに恐ろしくなった私は、後日風邪が治ってEちゃんが登校してきても、とう
とうあのことを本人に話す気にはなれなかった。

【完】